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「PMOの立ち位置と役割について」(2023年夏のご挨拶コラム)

最近は小・中型案件でもPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)組織を有するプロジェクトが増えてきました。

PMOへ参加するタイミングとしての理想は、見積もり段階から参画し、成果物や品質基準を確認し、プロジェクト立上げ前に

様々なリスクを洗い出しPO(プロジェクトオーナー)やPM(プロジェクトマネージャー)と情報共有をしておくことが重要と考えます。その際に洗い出されたリスクを見積もりに反映するといったリスクヘッジも重要です。

 

ただ、現実的には契約確定しプロジェクトスタート時に他のメンバーと同時に参加するパターンが大半ではないかと察せられます。もし事前準備ができていない状態で参画せざるをえない場合に重要なのが、WBS・タスク分解をいかに細かく実施できるかにあると考えます。なぜなら、最終工程で品質面のひずみが発生した場合に、「あの工程でスキップしたタスクが影響を及ぼしたとか、タスクの前後関係を無視した作業実施が影響していた」等々、振り返りで原因に気づくことが可能となります。

これが先々の知見となり、別プロジェクトで役立つナレッジ化となります。

 

また、PMOとしての品質管理は可能な限り細かくタスク分解されていることに付きます。

次工程タスクと現工程タスクをマージした場合にリスク影響がどこまであるかの判断する材料になり判断基準として論理的な説明ができなくてはなりません。

プロジェクトは生き物ですから往々にしてスケジュールはタイトになってどこかのタスクをスキップせざるを得ないと言った事は現実的に起こりえることです。

しかし、タスク作成時にどっちみちスキップするのだからといって最初から省くのではなく、最初は面倒でも細かく作成しておくことがとても重要な事です。

 

次にPMOに参画するメンバーは案件に関する技術要素を理解したスペシャリストであるということが理想となっているようですが、実は私はあまりそう考えてはおりません。

なぜなら、スペシャリストだと技術フォローは可能ですが技術目線で参画をしてしまい、“一技術メンバー”に留まってしまいがちです。よく、PMがプレイングマネージャーになってしまい、管理面がおろそかになってしまったという話を耳にしますが、PMOでも同様のことは起こりえる訳です。

 誰もリスクコントロールできていないプロジェクトになってしまえば、世にいう炎上案件の発生へ突き進みます。

PMPMOの主課題はまさにリスクコントロールです。進捗や課題管理作業より重要なのはリスクコントロールです。

プロジェクト体制自体や技術力量の問題も結局はリスク管理の一部となります。

PMOの役割は結構決まった内容と思われがちですが、実際の作業は千差万別となることを想定して取り組むことが大変重要です。

 

奥が深い業務ですが、やりがいと目線向上と言ったスキルアップにつながるミッションではないかと思います。

私も毎回PMO支援、PMO参画をさせていただいて驚きと気付きを得てスキルアップをさせていただいています。

 


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