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「プロジェクトマネジメント」とは!(2022年夏のご挨拶コラム)

つい最近「プロジェクト管理とは何をすれば良いのか?」という質問を受けました。

「なるほど、ではあなたのお立場は?」と問い返すと「プロジェクトマネージャーです」との返事。「???」微妙に不思議な空気が…。

 

一般的にはPM=プロジェクト管理もしくはプロジェクトマネージャーと訳す場合が多いようです。かくいう私も深く定義付けせずこの単語を使ってしまっています。

 

”マネジメント”=”管理”という解釈。

どうもこの誤解がマネージャーの役割・認識を矮小化させてしまっているのではないかと考えられます。

 

ある意味、”管理する”だけであるなら誰でもできるとも言えるのではないでしょうか。

重要な視点は、その“管理された“情報から抽出される課題やリスクに向き合い、解決に導く推進役がマネージャーの役割になるのではないでしょうか。

この期待される役割と認識とのギャップにより、課題の取りこぼしが発生し、プロジェクトの推進が滞り、炎上する大きな原因につながってゆくのではないでしょうか。

 

ある記事でふと目にした以下の使い分けは大いに納得感があります。

・マネジメント = なんとかする

・マネージャー = なんとかする人

 

私としては「PMはプロジェクトを推進する立場の役割」と認識していたので、この表現が非常にしっくりきました。

・”物事を何とかする。そのための手段は選ばない”。

・プロジェクトを成功させるためにプロジェクトの状況を把握し、そこから問題点を発見する。

・その問題点を積極的に介入しながら解決に導く。

・進捗管理、課題/リスク管理、品質管理といった各種管理手法は、それらを様々な観点で分析しながら問題を発見するための“単なるツール”でしかない。

 

多くの識者が”マネジメント ≠ 管理”ということを多々記されてはいるものの、残念ながら一向に改善されない現状です。

 

最近は”マネージャー=管理者”のご指導により”マネージャー=管理者”が更に増えてきているといった時代の皮肉には悩ましさを禁じ得ません。

 

炎上案件、長期案件等々数々の案件においてPMとして貢献してきた経験から申すに、解決に導く特効薬・即効薬はないのではないかとひしと感じます。

実プロジェクトにおける日々の作業を通じ、地道に啓蒙活動をして行く…まさに一燈照隅の心がけが大切なのかもしれません。

縁あってプロジェクトをご一緒させて頂いた方々が少しでも、誤解・認識違いに気づき、より良いマネジメントが実現できるような実地アドバイスが我が使命として引き続き精進したく思います。

 

是非とも、周りのPMやPM候補の方に当コラムを展開していただけますと幸いです。


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